社会人女子の日常
日本社会を生きるバイセクシャルのアラサー視点の日々
ジェンダーと社会問題

【今更聞けない】夫婦別姓ってどういう制度?

現在、選択的夫婦別姓について日本がようやく動き出しています。
現状ではまだすぐに法改正がなされる段階にはありませんが、世論が盛り上がっている今が要だと感じています。
ここでは1から日本の現状をまとめ、この制度のメリット・デメリットをまとめていきます。

  1. そもそも今の結婚制度とは?
    1. なぜ今話題になっているの?
    2. メリットとデメリット
    3. 事実婚すれば良いんじゃないの?
  2. なぜ選択的夫婦別姓は実現しない?
    1. 夫婦同姓制度は伝統のもの?
  3. 海外での夫婦別姓

そもそも今の結婚制度とは?

現在の日本では、結婚した夫婦はどちらか一方の姓を名乗らなくてはいけません。
つまり、夫か妻のどちらか片方は生まれた時から名乗っている姓を変えなければいけません
この現状を変えようと挙がってきた制度が「選択的夫婦別姓」です。

なぜ今話題になっているの?

現在まさに、世論が盛り上がり政治の世界でも選択的夫婦別姓についての議論がなされています。
そのきっかけとなったのが自民党の杉田水脈(みお)議員によるヤジです。
民主党の玉木雄一郎議員が「選択的夫婦別姓を実現させるべきだ」と述べた際に出た一言。
「それなら結婚しなくていい」
ヤジそのものについては全く肯けませんが、世論を盛り上げるきっかけを作ってくれた事には感謝したいです。

日本の少子高齢化がどんどん進む中、結婚という制度に執着する政治家も政治家ですが、結婚する人を増やそうとする動きの中でのこの発言はいただけませんね…。


選択的夫婦別姓のメリットとデメリット

選択的夫婦別姓は、現在の「夫婦で同じ姓にする」と「夫婦がそれぞれ自分の姓を名乗る」どちらでも選べるようにする制度です。
ここでは夫婦別姓にすると起こると考えられるメリットとデメリットを紹介します。

メリット

  • 生まれ持った名前で一生を過ごす事ができる
  • 改姓の為の膨大な作業が一切なくなる
  • 自分の実績は自分のものであると容易に証明できる

デメリット

  • 家族だと説明、証明するのが難しい ※1
  • 子供の姓はどちらか一方のものを選ばなければならない ※2
  • 伝統的な家族間が失われる ※3

※1 日本では同姓であるのが当たり前ですが、海外では事情が全く異なります。

※2 子供の姓に関しては、両親どちらかに苗字を名乗ることになります。ですが、もし子供が成長して変更したいとなれば、家庭裁判所に申し立てが出来ます。

※3 この件に関してはこちらをご覧ください。そして選択制ですので同姓の夫婦

上にあげたのは、あくまで夫婦別姓での事です。
正直、夫婦の苗字が選択制になる事にデメリットは無いと思っています。

事実婚すればいいんじゃないの?

結論から言うと、事実婚で姓の問題は解決できません。
法律婚と事実婚で得られるものの違いは沢山ありますが、デメリットとしては大きく3つあります。

  • 法的には「配偶者」ではないので税金の控除が受けられない
  • 手術の際、法的な家族でないとサインが出来ない
  • 遺書などの用意がないと遺産相続が出来ない

以上の他にも、子供が生まれた際夫婦で共同親権を持つことができず、父親が認知をしたとしても自動的に母親の姓を名乗ることになり、父親が亡くなっても遺書が無いと相続権も得られません。

夫婦が2人とも若く、子供も居ない間なら事実婚という選択も「有り」でしょうが、健康問題を抱えている人や金銭的に余裕がない人にはデメリットが大きく響いてきますよね。

なぜ選択的夫婦別姓は実現しないの?

この制度の話をすると、必ずと言っていい程出てくるのが「なぜ必要なのかわからない」という声です。
姓を変える事で苦労してきた方々が居るということを知ってもらい、どちらの制度を使うかは選択できるという事実を広めて、一刻もはやく実現していきたいものです。

夫婦同姓制度は伝統のもの?

日本での夫婦同性制度についても、決して古くからある伝統ではありません。
1898年に施行された明治民法により戸主制度が導入され、夫婦同性が義務付けられました。
1948年には戸主制度は廃止されたのですが、民法750条により夫又は妻の姓を名乗ることは明記されたまま残りました。


海外での夫婦別姓

現在、先進国の中で夫婦別姓が認められていないのは日本だけです。
各国姓についての在り方は様々ですが、法律により同姓のみと決められているのは日本だけで、後進国と言われる国々でも姓については別姓や選択制など夫婦のどちらかが強制的に姓を変える必要はありません。
かつてはドイツ、オーストリア、スイス、オランダ、ノルウェー、フィンランド、トルコ、タイ等でも夫婦同性を法で定めていましたが、既に法改正がなされています。
また、海外では別姓のみではなく複合性の選択がある国も多く存在します。

実は日本は国連から3度も是正勧告を受けています。

日本のジェンダー指数は 121位/153カ国 です。(※ジェンダーギャップ指数2020)
夫婦同姓が主に女性に負担を強いるものであるからには、ジェンダー指数への影響も否定できませんよね。
このまま現状が変わらなければ、世界からの日本への視線は年々厳しいものとなっていくでしょう…。

例外の国際結婚

日本人同士で婚姻する際には夫婦同性しか選択肢はありませんが、国際結婚の場合例外になります。
実は結婚相手が外国人である場合においてのみ、夫婦同姓か別姓を選択することができます。

※上記内容は、執筆当時の情報に基づき記載しております。

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